胸の鏡よ 心濁すな

日記のように綴るブログ

心の貧困

日本は経済的には豊かだ。

GDPは、世界第三位。しかし、自殺率は韓国と世界一位、二位を争っている。

ツイッターでも、電車の人身事故で、遅れて迷惑だなーという、それが当たり前の空気感が伝わってくるんだけど、それが私は、怖いと思う。

臭いものには、蓋をしろ。

悲しいことには、目を向けない。

それぐらい、みんな自分のことに精一杯だから、そういう風に暗いことには、目を向けないという処世術なのだけど、それが自殺率を高めているのだと思う。

新幹線の焼身自殺も、迷惑よねー。1人で他人に迷惑かけないで、死んでほしいよねー、っとさらっという人もいた。

その事件は、その人は孤独だからこそ、新幹線で焼身自殺したのだろうというBlogを読んだ。

確かにphaさんの本を読んでても、ニートでも孤独にならずに、楽しく過ごしているように感じる。

どんだけ、お金を持ってなくても孤独にならなければなんとかなるというのは、持たない幸福論で分かった。

焼身自殺した人も年金、月12万は結構良い方だと思ったけど、彼は孤独だからこそ、みんなに自分の存在を見せつけるために、焼身自殺したのだろう。焼身自殺させるほどの孤独。

向田麻衣さんが支援しているネパールほどの、日本は分かりやすい貧困ではないけど、暗いところをみるとそういう数字が出てくる。
向田さんも、ネパールは日本より笑顔が絶えなくて、本当に支援というのが必要なのかな?と思ったそうだ。そしてメイクでの支援。

私も、ネパールには行ったことがないけど、大学の時に見たネパールのドキュメンタリーで、日本より笑顔が沢山あって、心から笑っているように感じた。
日本はニコニコしているけど、どこか作り笑顔。それが奇妙だと、ロストイントランスレーションで描かれている。
押井守は、イノセンスのインタビューで、日本は人形みたいだと言っていた。
なので、人形がテーマのイノセンスを作った。

私も、長野の栄村に行ったときに、そこの子供は子供らしかった。そして京都に帰ると、そこにいたのはドライな子供で生意気なことを言っていた。街ゆく人たちも、人形みたいだった。

今、ゆっくりだけど、渡辺京二の逝きし世の面影を読んでいる。

江戸時代、開国をして、日本に訪れた海外の人の記述を、膨大な量にして、日本は何を失い、どう変わっていったかというのを浮き彫りにしていく本なのだけど、これほどまでに日本は“逝った”のだなと思った。
この本で近代の見え方が違うと感じるほど。
分厚い本なので、まだ読みきれてないけど、こんなにも日本は急激に無理に近代化し、変わって失われたのだなと。

日本の近代史を学んで、日本は沢山の“歪み”があること。それは、大学の後輩と話したときに、出てきた言葉だ。

確かに経済的には豊かな、現代日本だけど、心の豊かさでは江戸ではないかなと。懐古主義ではないけど、純粋に人間らしい日本になれたらいいのにと思う。

私は、小さなことだけど、その手助けが出来たらと思う。